失敗する

難しい。失敗するのを厭わないのは、難しい。失敗したことを許容するのは、難しい。

許すことは、難しい。他人を許すことは、案外難しい。自分を許すことは、とても難しい。

これによって、失敗した自分を許すことは難しく、失敗しない一番の方法を採用するに至る。それは、行わないことである。

ここに至って、失敗を恐れずに行うことの難しさを痛感する。

人は自身が思う以上に自分を有能だと見做し、失敗するや否や、それを自分の瑕疵（キズ、欠点）と見做す。自信を無くし、失敗と向き合えなくなる。

だから、難しいのだ。

「失敗」の一般的なイメージはあまりよろしくない。しかし、失敗は成功のヒントも含むのだ。あと少しの所での失敗ならば、方向性は正しく最後のアイデアが足りないことに気付く。何一つ上手くいかない失敗ならば、それを反面教師とした全く違ったアプローチに気付くのである。失敗の中に学びがあるのだ。

それでもなお、失敗に気落ちし、見直すのが辛いこともある。

それならば一層、成功を基準とせず、失敗を基準としたらどうか。失敗にも程度があるから様々な基準を得られる。一番ハードルを下げれば、失敗を望むことである。それはつまり、行うことである。

失敗を望むことは、行うことである。失敗からの推察や、失敗の積み重ねによって成功へと近づければよい。

失敗を求め、失敗から見出すのだ。